あの雨の日、きみの想いに涙した。






俺は学校が終わって家に帰った。今住んでる家はもちろん、ばあちゃんとじいちゃんに引き取られた母親の実家。

白石高校から電車で6駅。香月町という場所で駅から徒歩5分の所にある住宅街から離れた昔ながらの古風な一戸建て。


庭もあり、縁側に座って外を見るのが好きだったじいちゃん。そのじいちゃんはもういない。

11歳の時にこの家にきてその二年後、じいちゃんは心不全で死んだ。突然のことだった。


娘も死んで最愛の夫まで亡くしてしまったばあちゃんは急に物を忘れがひどくなって、それは日常生活に支障がでるほど。

一緒に病院に行くとアルツハイマー型認知症と診断された。


今ばあちゃんは少し離れた老人ホームで暮らしている。だから俺はこの広い家でひとり暮らし。

金はじいちゃんが少しだけ残してくれた。あとは自分でバイトしてなんとか生活している。