八月の指定席【花火・短編】

強気な女に、気弱な男。

ズボラ女に、コマメな男。




世の中、うまくできていると思う。




オレの弱気な部分を、マコがしっかりフォローしてくれる。





情けない?





いや、いーんです。





それで、うまくいってるんだから。





「ユースケ!あれ持ってきて」

「おう!」






マコにあれこれ言われてる時が

一番オレが役に立ってる時。






自分が必要とされてるんだな、って

実感できるんだから。






ただのパシリ?





いや、いーんです。







オレがマコを好きで、

マコがオレを好きでいてくれる。






それが、オレにとって

一番の幸せ。