八月の指定席【花火・短編】

え…、何?

ちょっと待ってくれよ。




「ユースケは、ニブ過ぎるんだよ」

「ニブい…」




ま、否定はしない。

鋭かったら、元カノのことだって、変化にもっと早く気付いてたハズ。

「そう、頼りないし、女々しいし、人の言うことホイホイ聞いちゃうし…」

マコ、言いたい放題だし。




「その通り…。でも、何でマコ…。さっきのって、どういう意味?」

「だーかーらーっ!そういうことを聞くこと自体が、ニブいって言ってんのよ。気づけ!バカッ!」

マコは怒って、トイレに駆け込んでしまった。