八月の指定席【花火・短編】

「今日…ホントは違う場所で飲もうってみんなに提案したんだ。

でも、押し切られちゃった。…ゴメンね」

「え、マジで?」

「うん。だって、ユースケ…花火見たら、その…また、思い出すかもと思って」

「まあな…」




現に、さっきだって思い出した。

あの時の嫌な気持ちが、胸に込み上げてきて

ツラくなった。




「窓開けたままだと、花火の音聞こえるし…。

だから、窓閉めようって言ったんだよ?」

「あ…そっか。クーラーつけるとかって、あれ…オレに気遣ってたんだ」

マコ、いいトコあるよな。