八月の指定席【花火・短編】

防音窓だから、花火の音は全く聞こえなくなってしまった。

ベランダで騒ぐ、あいつら三人の声も、聞こえない。

…マコ、何がしたい?




キョトンとするオレの前に、ちょこんとマコが座った。




「ユースケ、あのね。聞いてほしいことがある」

「…おう」




目の前のマコに、少しドキドキした。

コイツこんなにかわいかったっけ?

それか…オレ、ちょっと酔ってる?