そう言って、女医さんは新生児室の中へ入っていった。
しばらくして、女医さんは小さなベビーカーみたいなベッドを押して戻って来た。
「はい、希ちゃん。今日から母子同室出来るから。だけど、絶対に赤ちゃんから目離しちゃダメよ?」
女医さんの言葉に、私はしっかりと頷いた。
責任重大だな……
でも、私はこの子のママなんだから、ちゃんとしないといけない。
頑張らなきゃ…
「…名前は?決めたの?」
病室に戻り、赤ちゃんのベッドを私のベッドの隣に置いた後、お母さんが尋ねてきた。
「うん。かーくんがね、もう決めてあるみたいなんだけど……」
私は知らない。
かーくん、教えてくれないし。
多分、今日ここに来たら教えてくれるはず。
「今回も一真くん?そう…一真くんなら、きっといい名前付けてくれるわ。」
なにそれ?
ちょっと…不満。
裏に『希に任せたら…ねぇ?』みたいな意味が込められてるような気がするの、私だけかな?