学校でも意識して話しに行こうと思わなければ会う事もないヤンキーな中山君。

なぜなら……特別進学クラス(略して特進)の私と6組の中山君は階まで違うから。

うちの学校は1組が特進で、2組と3組はスポーツ推薦入学(略してスポ特)クラスで、4組から7組までが普通クラス……、つまりはヤンキークラスになる。

『偏差値は特進』『スポーツはスポ特』『喧嘩はヤンキー』という役割分担が自然と出来ていて。

ヤンキー校として有名な三高の学力が県下最下位じゃないマジックはここにある。

そして特進は授業料免除などの特典があるためにそれなりに勉強の出来る生徒が集まるのだ。

学校側も『勉学、スポーツに打ち込めるように』と考えたのか、特進とスポ特はヤンキークラスと階まで違う。

だから中山君には会っていなかった。

でも私これじゃ“彼に想われて大切にされて幸せな女の子”に見えないじゃない。

ちょこっと焦りを抱えていた私に中山君から連絡が来たのはゴールデンウィークに入る2日前だった。