あの後大人しく「麻ちゃんの部屋だよ」と、言われた場所に入った。 今は荷物の整理をしている。 「あっ」 「あっ」 窓の方を向くと、さっき飛び蹴りをお見舞いしてやった失礼最低男と、目があった。 「あんたの部屋そこなの?」 「あぁ」 ―なんで窓から、こいつの顔を拝まなきゃなんないんだよ。 「なんだよ」 心に思っていたことが、顔に出ていたのか眉間にシワを寄せている。 「いや別に」 無視して、荷物の整理に戻ろうと思って顔を背けた。