君待駅

俺は知香のタオルを受け取った。
申し訳なかったけど汗を拭く。
今度洗って返すから…いいよな?


「帰りましょうか。裕くん。」

「…おう…。」


俺と知香の間にある距離、30センチ。
その距離がなんだか今日は妙にむず痒くなって、俺は知香の腕に手を伸ばした。




「知香。」

「はい?」

「…なぁ…1こ聞いていい?」

「はい。なんですか?」

「なんでさ…今日いきなり…『裕くん』なわけ?」

「へっ?」

「だって金曜日までは『茅野くん』だっただろ?」

「あっ…えっと…それは…。」


ちょっと顔を下に向ける知香。
心なしか…顔が赤い?



「知香…?」