君待駅

俺は汗を腕でぬぐいながら知香のほうへと歩いた。


「お疲れさまでしたっ!!
裕くん、私が思っていたよりもずっとずっと速かったです!!」

「…そうか…?」

「はいっ!!いつもの裕くんと違う一面が見れて嬉しかったです。」

「……。」



あんまりストレートに言われるもんだから、また急激に顔に熱が集中する。


「あの…裕くん…?大丈夫ですか?
あっ…あのっ…タオル…使います?」

「え…あ…大丈夫大丈夫。
つか俺、汗の量はんぱねぇから…知香のタオル汚すわけにも…。」

「いいですよ、そんなことはっ…
裕くんが風邪ひいちゃうことのほうがダメですっ…!!
ですから…。」


そう言って俺の顔にタオルをあてる知香。


「ちゃんと汗、拭いてください。」

「わっ…分かったっ…。サンキューな。」