「ははは。片瀬さんは男前だな。いや、女にしておくのが惜しいよ」 専務はそう言って笑っていて 「褒め言葉として受け止めておきますね」 片瀬さんはそう返していた。 思わず、手に持っていた煙草を握りしめた。 もしかして、俺は・・・ ―――彼女に近づけるのかもしれない。 もし、彼女さえよければ。 ―――お互いが割り切っていれば、割り切ることができれば。 俺の気持ち・・・ 本心を隠して割り切っていると思わせることができれば・・・ ―――もしかしたら彼女に近づけるのかもしれない・・・