「2分」



電話を切ったと同時に隣から聞こえた声に反応すると



高橋はやっぱりニヤニヤしながら自分の腕時計を指差していて。



それがどうした?と問いかける俺に



「会話が短くて残念だったな」



そう言うと肩をポンポンと叩いて立ち上がり、倉庫である隣の部屋に向かった。







―――高橋にはバレてる。



最近、確信したことだ。



俺が彼女のファンであると言うことは営業社員が知っている周知の事実。



―――ただ、物好きだと言われたことは一度もない。



彼女の仕事に対してのスタンス、ONとOFFのきちんとした切り替え。



上司や先輩は感心し、後輩は尊敬している。