泣き崩れる真央の肩に手を乗せた母親に顔を上げた彼女は 「お・・・母さん」 肩を抱き寄せた母親の胸に顔を埋める姿を見て、真央が全てを知ったんだと。 俺と元妻の事、飯田さんの想い・・・ ―――そして今日の挙式に飯田さんがいない事。 傍には吉沢課長が立っていて、俺と目が合うと優しく微笑んでいて。 この人も飯田さんや彼女や俺の間に立ってたくさん悩みぬき、辛い立場に立ってくれているんだと思うと胸が熱くなって深々と頭を下げた。 「お父さん・・・それから佐々木さんも入ってきて」