もう一度深く息を吐き出してからドアノブを押して扉を開けた。 中央にソファーセットの置いてある殺風景な部屋に足を踏み入れると、奥の窓際に俺の両親より10歳近く若いご夫妻がいて。 「佐々木さん?」 真央の母親が声を掛けてきた。 「佐々木涼一です」 一度頭を下げてから顔を上げると二人は顔を見合わせて近づいてくる。 心臓が口から飛び出るんじゃないかってぐらい緊張していた俺に 「掛けなさい」 真央の父親がソファーへと促してくれた。