養育費は妻が拒んだ。 俺との繋がりを完全に切りたいから、もう欺いて縋りつきたくないからと。 ―――妻も長年悩み苦しんでいたのだと、この時初めて知った。 ―――――数日後 俺は再び飯田さんとラウンジで会っていた。 今までとは違う彼の様子・・・ 憔悴しきっている表情に、ただ無言でいた。 会話もなく時間だけが過ぎていて。 「佐々木さん」 座ってからどれくらい経ったのか分からなくなった頃、彼に呼ばれて顔を向けると 「真央を幸せにして欲しい」 彼は深々と俺に頭を下げた。