―――――貴方は覚悟を決めたように、少しずつ自分の気持ちを自分の言葉で話してくれた。 俺とは決して同じ人生を歩めないと分かっていたこと。 このままお互いが愛し合っても、誰も幸せになれないこと。 このまま飯田さんと結婚することで、俺の今の生活も立場もすべて守ろうとしたこと。 「大切な涼一を大切な想い出として自分の気持ちに鍵を掛けたかった」 自分の気持ちを犠牲にして、俺と飯田さんの幸せを考えた真央。 ―――貴方は迷っていなかった。