「佐々木、これは何?」


「おい、大丈夫か?」



彼女の誕生日当日、上原部長や高橋に声を掛けられるほど俺は仕事が手につかず


いつもなら絶対にやらないようなミスを連発していた。





―――会えないかもしれない彼女を想って。





約束の時間が近づくにつれ、落ち着かなくなった俺に高橋は何かを感じたのだろう。



「部長!今日佐々木は調子が悪そうなんであとは俺が仕事引き受けますから」



俺を見て、「家に帰って休めよ」と片目を瞑って笑っていた。






時刻は18時過ぎ。



上原部長にお先に失礼しますと頭を下げ、事務所を出てから・・・