「・・・片瀬さんの幸せを願っています」 ―――真央・・・俺はいつまでも君を愛している。 「だから、もう2人で会うことはありません」 真央・・・ ―――さようなら。 「飯田さん、本当に申し訳ありませんでした」 テーブルに付きそうなぐらい頭を下げた俺に、彼は何も言わず黙っていて。 そのまま席を立って出て行った。 「佐々木君、もういいから頭を上げなさい」 吉沢課長に声を掛けられるまで頭を下げていたことに気付かなかった。 顔を上げると、飯田さんがいた時以上に夫妻は真面目な顔をしている。