仕事が終わった後で時間が欲しいと言う吉沢課長の申し出を無条件で飲み、10日後に会うこととなった。





当日、待ち合わせ場所のホテルのラウンジへ足を運んだ俺は



課長の他にいる2人の男性に気付いた。





明らかに俺よりも年上の彼らは、落ち着いた雰囲気を身に纏っていて。



俺より少し背の低いサラッとした黒髪の穏やかに微笑む彼を見てなぜだか確信した。





彼女の・・・





―――真央の彼だと・・・





「自己紹介は中に入ってから」と言われ、3人の後に続いて歩きながら正直どうしていいのか分からず、課長を恨めしく思うしかなかった。