嘘、嘘、嘘・・・
―――結婚生活を塗り固めている嘘。
冷静に向き合おうとする俺の神経を逆なでする妻と距離を置きたいと思ったのも
これ以上強引に進めるより一度頭を冷やしてもらった方がいいのかもしれないと思った俺は頷くしかなかった。
それに、妻と話してからは嫌悪感以上に感じる恐怖。
自分の周りの人間に危害が及ばないかと神経を尖らせていることに少し疲れ始めていたのだと思う。
彼女に会いたい、声を聞きたい、抱きしめたいと思うのに。
―――会えない・・・
彼女にもしものことがあれば・・・
俺はどうすることもできず、ただ成り行きに身を任せるしかなかった。

