「確か10年上って言ってたから、佐々木よりまだ上なんじゃないか?」
「へぇ〜」
ビールを飲みながら口元を引き締める。
―――俺より年上の彼氏が・・・
「お〜佐々木ぃ〜飲んでるかぁ〜」
目が半分据わっている高橋は、フラフラしながら俺と上原課長の元へやってきた。
「お前、佐々木と違って弱いなぁ」
上原課長が声を掛けると、「まだまだ大丈夫ですよ〜」とヘラヘラ笑っていて。
課長と目を見合わせると肩をすくめた。
―――結局、課長と話していた彼女の話題は途切れてしまい
「今度飲みに行こうぜ!」と肩をバンバン叩いてくる高橋を少しだけ恨めしく思った。

