お互いに気持ちを伝えあったあの日以来、彼女と会えるビアガーデンの日。





だけど・・・





―――1本の電話を境に、俺は彼女と会えなくなるなんで思っていなかった。





ビアガーデンに参加する営業は朝から浮足立っていて、もちろん俺も高橋も同じで。



上原部長も楽しみにしていたのか、ややこしい仕事はすべて明日以降に回してくれて。



あとは簡単な事務処理を済ませて退社するだけになった夕方。





「あ・・・あの〜佐々木さん」



慌てて電話の受話器を手にしたまま保留ボタンを押したらしい伊藤に「何?」と答えると



「奥さんからです」



―――そう言った。