俺も過去を話した。



妻との事、ストーカーをしてきた女性部長の事・・・



嘘は付いていない。



―――けど・・・



最初のストーカーが妻の自作自演だとは言えなかった。



想いは通じ合っても、俺達の道が交わることはない。



俺には妻子がいて、彼女には結婚を前提とした婚約者がいる。



彼女はゆっくりだけど彼との将来に向かって前進していて。



彼女の幸せを俺は同情で壊すことが出来なくて。





だから・・・



―――言えなかった・・・





嘘を付かれた時の心の痛み、ガラガラと崩れていく信頼と気持ち。



貴方にもし嘘を付かれると俺はもう立ち上がることができないから・・・