「入社して1年であんなに貫禄が出てくるなんて思ってなかったからなぁ」
入社当時を思い出したのだろうか、クツクツと笑いながらボトルキープしていた焼酎をグラスに注いでいた。
「たぶん今だと彼女が間違ってますって言ったら絶対に間違ってるしな」
「そうですね。よく気付きますよね、片瀬さん」
「あれだけ仕事ができると、吉沢さんも安心してると思うね」
「確かに」
相変わらず気さくな上司に気を使いつつも
彼女の話題に少しでも触れられたと思うと嬉しくなって口元が緩みそうになる。
「まっ、彼氏も年上らしいから年齢より落ち着いてるんだろうしな」
「え?」

