ビールが大好きな俺は、飲み会ではビールだけ飲んでいて。


学生時代からは『ザル』と言われるほど飲んでも酔わない。



他の社員が酒のチャンポンで半分酔い潰れていたけど、上原課長の言葉を聞き逃さなかった。



面接で会社を訪問し、彼女に一目惚した俺は彼女の名前にはひどく敏感で。



「何ですか、それ?」



どんなことでも知りたいと思っていたのも手伝って、無意識で言葉を発していた。



「ん?そのまんま」



課長は焼酎をグイッと煽るとプハァと息を吐いてから笑った。



「逆らうなって」



苦笑しながら、傍にあった枝豆に手を伸ばすと