目の前にいる彼女が消えてしまわないように力強く、だけど壊れないように抱きしめていた。
「こうしたかった・・・」
―――自分の素直な気持ちが思わず零れる。
夢にまで見た彼女がこうして現実に腕の中に居て。
逃げようとも嫌がる素振りもない彼女に、やっと心が追いついた。
―――俺は・・・受け入れてもらえる?
―――これは・・・夢?
夢なら覚めないで欲しいと願いながら何度も彼女にキスをする。
唇で彼女の柔らかい感触を確かめ、現実だと頭が理解する。
それでも信じられくて薄く目を開けると、長い睫毛を伏せて俺を受け入れてくれる彼女が視界に入る。

