思わず言いそうになる本音を誤魔化すように、もう一つの新しいビールに手を伸ばす。
「去年の歓迎会の時、ファンじゃなくなった」
―――貴方は俺を割り切ってくれる?
「歓迎会の時?」
「そう。前に途中で終わってたよね、話」
―――俺を受け入れてくれませんか?
「ちょうど片瀬さんが専務と話してたのを聞いて」
心当たりがないのだろうか、眉を潜める彼女に追い打ちを掛けるように
「ちょうど浮気について話してた」
―――本題に触れた。
「あの時、片瀬さんは浮気について持論を言っていて・・・今もそれは同じ?」
―――同じだと言ってくれないか?
「持論って」

