俺のいつもと違う空気を感じ取ったのか、持っていた箸をテーブルに置いた。





「前川さんから聞いた?」



取りあえず、彼女がどこまで俺の気持ちを知っているのか確認したくて話を切り出した。



「何をですか?」


「まいったなぁ」



恍けようとする彼女に、カラオケの時に聞いたはずだけどと伝えた。



彼女は困ったように頷いたので、取りあえず自分の言葉で伝えようと残ったビールを飲み干してから口を開いた。





「俺、片瀬さんのファンって言うのは嘘。最初はホントにファンだったんだけど」



―――貴方が好きで仕方がないんだ。