約束の当日、俺はまだこない片瀬さんに想いを馳せていた。



来る、来ない、来る、来ない・・・



彼女から少し遅れるとメールをもらっていたけど正直ホントに来てくれるのか不安だった。



彼女が来るなら必ず通る改札に目を向けると走ってくる姿を見つけた。



俺の為に走ってくれてると思うと胸が熱くなる。



改札を抜けた彼女は足を止めることなくそのまま俺の傍まで来てから乱れる息を整えている。



―――来てくれただけで嬉しい。


「ホントごめんなさい」



頭を下げる彼女に嬉しさを噛み締めながら気にしてないと伝え、彼女と一緒に行きたかった居酒屋へと笑顔で促した。