忘年会から2カ月が過ぎた。



携帯を開いては閉じてと、毎日何度も同じ動作を繰り返していて。



「携帯折れるぞ」



高橋は苦笑しながら、1日1回はこうして茶化す。



個人携帯に登録した彼女の電話帳を会社用の携帯にも登録した。



個人の携帯からメールを送っては迷惑じゃないかと思ったから。



彼女にとって俺はまだ『同僚』という枠のままで。



長年の片想いのせいもあり、焦らずあくまでも少しずつ距離を近づけたいと考えていた。





―――それなのに、あの時混乱した俺は咄嗟に言ってはいけない台詞を口にしてしまった。