手分けして片付けていると上原部長が一人で戻ってきて。 俺の肩を叩いて、チョイチョイと親指で部屋の外を指差す。 あらかた片付けが終わっていたので、部長について部屋を出た。 部長のワイシャツとネクタイは広範囲で濡れていて 「俺ってちょっと災難?」 「そうですね。大丈夫でしたか?前川さん」 「今は片瀬さんが介抱してくれてるから心配ない」 部長は笑っていたけど、口を引き締めると真面目な顔で俺に話し始めた。 「俺、正直お前は前川さんを受け入れるって思ってた」 「え?」