肌はしっとしとしていて弾力のある頬をずっと触っていたいと思う欲求を無理やり理性で抑えつけて
「睫毛がついてたんです、ほら」
自分が赤くなっていないかと思いながら彼女の睫毛を見せてみる。
「ありがとうございます」
俺とは違って特に変化のなかった彼女はお礼をいって、歌本に手を伸ばしていた。
さっきの雰囲気は気になったものの、彼女の変わりない態度に少しがっかりしたけど
―――ここでへこたれるわけにはいかない。
咄嗟にビールを飲もうと手を伸ばしかけて、自分の席で飲んだ後何も注文をしていないことに気が付いた。

