「片瀬さんは春の歓迎会の時…」
思わず自分の思ってることを口走りそうになって慌てて口元を引き締めた。
「何か珍しいですね。口ごもっている佐々木さんって。歓迎会がどうしたんですか?」
―――彼女は何も覚えてないのだろうか?
―――もしかして俺が一人で舞い上がってただけなのだろうか?
勘違いかもしれないと思うと、冷たい汗が吹き出し思わず唾を飲み込んだ。
―――でも、勘違いじゃなかったら・・・
「最後のほう、俺片瀬さんの後ろに座ってたんです」
「えっ?気が付かなかった」
「そりゃ、コッソリ移動したんで」
―――どう話を持ってすればいいか考えつつ、その時と言いかけた瞬間。

