「なんか、今日はいろんな顔の佐々木さんを見てる気がする」
彼女の口から思いがけない言葉をもらった俺は、無表情を装えているのだろうか。
ふと視線を逸らすと彼女のグラスが空になったのに気付き
そろそろ烏龍茶なのかなと思い傍にあったメニューを渡した。
やはり彼女はアルコールではなくメニューを裏返してソフトドリンクを眺めようとして
「あれ〜?片瀬さんまだまだ飲みましょうよ!」
顔を上げると坂井さんのいた場所、彼女の前には伊藤が座っていた。
「伊藤君、飲み過ぎてない?」
「へっへっへ〜大丈夫ですよ〜」
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