今日はヤケにすんなりしてるな。

絶対家の中に入り込むと思ってたのに…。




手すりから下を見下ろすと、ちょうど階段から降りてきた成宮くんの姿が見えた。




「成宮くんっ!」


「…ん?」




無意識に成宮くんを呼び止めていた。





「コーヒー、飲んでいかない?」




私、何言ってるんだろう。



家になんか入れたらまた何されるか分からないのに…




まだ一緒にいたいと
何だか寂しいんだと


そんな気持ちを抱いてる。






「嬉しいけど今日はやめとくよ」


「…そう」




変だよ、私。


別に酔ってるワケじゃないのに




どうしてこんなに

彼を恋しく想ってるの?






何だか沈んでいく気持ちを抱えたまま、鍵を開けて部屋に入った。