「おまえも噂を聞いてると思うけど、俺はある女に振られた」

え? あの噂は本当だったんだ…

「おまえは、眼鏡を外すとその女によく似ている」

さっき香山君が『似てる』って言ったのは、その事?

「その女の代わりでいいなら、付き合ってやる」

「身代わり、ですか?」

「そういう事だ。眼鏡は止めてもらう。二人だけの時は、おまえをメグと呼ぶ。これが条件だ」

私はメグさんの、身代わり…

「あの、メグさんって誰ですか?」

「知らなかったのか? 1年3組の竹中恵だ」

1年3組、竹中恵。私はその名前を頭に刻んだ。

「あ、それと、誰にもその事を言わない事。それも条件に追加な?」