「・・・と、言うわけで、今日からここの店員です」 正樹は、お客の派手なお姉さんに、白亜を紹介した。 カウンターの向こうの目が、白亜を物色する。 「あら、かわいい」 ハートマーク一杯の声で、お姉さんは食いついてきた。 「こんな可愛い弟君がいたのね」 白亜の顔は引きつった。 確かに、正樹は5つ年上の、兄だ。 けれど、あたしは弟、じゃない。 妹だ。 正樹は訂正する気もないらしく、笑っている。