「…結愛。」 果歩の静かな声が、教室内に響き渡った。 あまりにも低い声に、思わず息を呑む。 ・・・・・ 「…それ、頭のなかの彼氏でしょ??」 『…ごめんなさい!』 …そうなんです。 あたしのいう彼氏っていうのは『脳内彼氏』。 つまりは、『妄想彼氏』ってわけ。 「…いい加減、現実みなさい。」 『だってぇー。』 こんなあたしだからかもしれない。 妙に理想が高くって。