―――― 大会当日

小学生から社会人まで
それぞれの枠で

全ての市町村から
勝ち抜いてきた精鋭たちが集い
個人戦、団体戦
トーナメント方式で戦う


広い体育館の静寂の中
竹刀の音と
選手の気合い入れた声が響く


この空間が
やる気を起こさせる


「「一真っ」」


3回戦を終えて
控えの場所に戻った俺に


啓太と朱里が傍に来た



「おうっ! ありがとな」



「一真、ベスト8進出かー!
調子イイじゃん!」

ポンポンと、俺の肩を啓太が叩く


「ホント、ホント、
この調子だと、優勝行くかもねっー」

会場にキョロキョロと
視線を移しながら
朱里が言う

あ、コイツ、
また、イケメン探してるよ

「まぁ
そのつもりだけどなっ!

朱里、イケメンなんて
そーいねぇだろー?」


「うーん、そうねぇ…

あっ!

あの入り口のトコにいる
背の高いヒトっ!

カッコよくない?」


朱里が指差した先を見た

確かに、
背が高くて、
なかなかの顔立ち…


あっちは、社会人の枠だよな


って、


あれって…?


イケメンと今、隣で
話してる女性に

俺は気付いてしまった…