玄関の騒がしさに気付いたのか、
廊下を、滑るように
奥の部屋から
走ってきたもう一人?の家族
「おー、レオ〜
もう、大丈夫なのかあ?」
俺の姿を見付けると、
足元にじゃれつく
抱き上げて
レオの体を摩った
俺が中学に入った時、
父さんの会社の人が
飼っているダックスフンドに
子供が産まれたのを
譲ってもらった
2週間前に、
このレオが、
ギックリ腰になってしまい、
ひどかったから、
動物病院に入院してた
俺がバイトに行ってる間、
母さんが引き取りに行ったみたいだった
久しぶりの再会に
レオとスキンシップを取ってると
「一真、戻らなくていいの?」
「あ、やべっ」
レオを母さんに渡し、
家を後にした
“ワン”
と一声、レオが鳴くのが
背中越しに聞こえた
お前だけだよ、
俺の今の気持ち…
わかるのは…

