「お兄ちゃん?!」
「おい?!」
2人に同時に呼ばれ、
意識を引き戻した
「はっ!
と、とにかくっ!
早く、家に帰れっ!
茉由子、
後ろ、乗れっ!」
茉由子の方に
荷台を向けようと
方向転換しようとした時
「いい、
俺が家まで送ってく
お前は、バイトに戻れ」
「はぁっ?!」
「責任もって
彼女を送る
それくらい、彼氏の常識だろ」
暗がりで
俺が気付かないと思うのか、
しっかりと
茉由子の手を握った青山…
はぁーーー
大きく溜め息をつき、
首を項垂れるしかなかった
「わかったよ…
俺は先に家に行って
母さんに伝える
その後は…
2人で、怒られろ!」
返事を聞かず、
俺は、チャリのペダルに足を乗せ
一気に踏み出した

