「へぇー
そーなんだぁ
一真は、いらないんだぁー
彼女のケー番」
は?
俺は
店内へと向かう身体を
反転させて
「ケー番?
お前、
やること早すぎっ!」
「えー?
早くなんかないぜっ
チャンスは自分から掴まないとなっ
それに彼女、
このオフィス街で働いてるそーだぜ
きっと、また来るぜ!」
満足げな顔で
携帯を手に持ち、
振り振りと左右に振る翔平
まぁ、
翔平の場合、
今に始まったコトじゃないからな…
人懐っこい性格と
俺を追い越してしまいそうな勢いの背と
ジャニ系の顔してりゃ、
コロっと行くオンナは
たくさんだろーな
って、
なに、羨ましがってンだ?俺…
「あ、別に俺はいーよ
オンナなんて、
めんどくせーもん…
ほら、さっさと運ぶぞ、コレ」
持ってた段ボールを
翔平の足元に置く
「ふーん
じゃ、ごちそーさん」
は?
ごちそーさん?
え?
ヤったのか?
まさかな?
それは、ねーだろ?
いや、あり得る?
いやいやいや…
これ以上何か言うと
墓穴掘りそうだから
仕事に没頭した

