バックヤードから
商品の入った
段ボールを取りだし
店へと運ぼうとした時、
「一真、一真ぁー」
なんだか、
音符が乗ってるよーな声で
呼ばれた
「あ? イヤに早かったなぁ
お前のコトだから、
あの、“おっぱい”ちゃんを
ラブホにでも
連れ込んで、
もう、帰ってこないかと思ったぜ…」
マジ、コイツなら
あり得るからな…
ある意味、
羨ましい気もするが…
「えーっ?!
俺がそんなコトするよーに
見えるかい?
一真くーん?」
見える見える、
断固として見える!!!
「おい、コレ
お前も手伝えよ!」
俺が2段重ねて持っていた
段ボールの一つを
持て、と
翔平の身体に押し付けた
「一真いーのかぁ?
え?え?そんなことして?」
「は?なんだ? どしたんだ?」
口元を上げて、
ふふーん、と鼻高々な表情
意味がわからない俺は
先に店内へ戻ろうとした

