年上彼女


「大丈夫だった?」


掴まれてた腕を擦っていたから
声をかけた


「あ、はい…

一度ならず、二度までも
どうもありがとうございました」

ゆっくりと
俺に頭を下げる彼女


「あ、いや…」


やはり、
言葉が見つからない


すると


「ね、君、ここらへんに住んでるの?」


翔平がすかさず声をかけた


「あ、いえ、2駅東ですが…」


「さっきのヤツら
そのへんウロウロしてっかもしんないから
駅まで送るよ」


はぁっ?!

なに、突然言い出す?!
翔平!!


「え?! でも…」


俺の顔をじっと見つめる彼女…


「いいって、いってー
駅、すぐそこだし

一真、お前のチャリ借りるな」


「翔平、お前、店長にどー説明すんだよっ」


「あ?そのまんま、言ってくれればいーよ

あ、一真、チャリのカギ」


俺の前に掌を差し出す


はぁ…


ポケットからカギを取りだし、
掌に乗せる



「さ、いこいこ」


彼女が、度々、後ろを向いて
俺を気にしていたが、


翔平が手を引っ張って連れて行ってしまった…


はぁ…


出るのは溜め息だけだった…