一真がこんなにも 落ち込んだ姿は見たことがない… 試合に負けた時だって、 ここまで酷い状態になんて なったことない… 「勝哉くん… また、お兄ちゃんバイト休んでるの… 翔平くんが迎えに来てくれたんだけど、 怒って追い返しちゃうし…」 心配そうに目線を階段の方へやる茉由子 夏季講習へ行く途中 家に寄ってはみたものの… いわゆる… ひきこもり状態… 「うん… 多分、今が一番ツライかもな… とりあえず、声だけかけてくるよ」 頷いて、 俺の顔を見る茉由子の頭を そっと撫でる