ガラッ――――
「あら、もうっ
一真ったらぁ~
病人のクセに、手が早いわねぇっ」
「か、母さん!
ノックくらいしろよっ!!」
素早く、俺から離れた彼女が、
「お手洗い、行ってくるね…」
そう言いながら
遠慮のない母さんの横を
通り、病室を出て行った
「一真~
彼女、水上さんだっけ?
ちゃんと、お礼言ってね
アンタに付きっきりだったんだから…
それにっ…
ちゃーんと、大切にするのよぉ~
お父さんみたいにぃ~
フフっ…」
「か、かあさん!
先生、待ってンだろっ!」
母さんの後ろにいた
担当の先生が、ニコリとして待っていた
その後ろには…
外科にいるハズもない、
隼人おじさんがいた!
そっか、
おじさんの病院に運ばれたんだ…

