「いただきまーす」
出掛ける時間を気にしつつ、
母さんのコロッケを
味わう
「ねー、帰りは何時くらいになるの?」
俺の向かいに座って
グラスに入れた麦茶を
俺の前に置いた
「んー、
23:30に次のヤツと交代だから、
24:00くらいかなあ」
「そう、
家から近いからって、
安心しないで
気を付けて帰ってくるのよ
今は、何かと物騒だから…」
「わかってるってー
自転車で5分のトコなんだから
大丈夫だってー
かあさんは、心配のしすぎだよっ」
「えー?
そーかしらー?
あ、そうそう
茉由子も、なんだか最近、
帰り、遅いのよー
部活だって言うけど、
あんな遅くなるハズないと思うのよねぇー
ねー、一真、
チラッと茉由子に探り入れてみてくれない?」
探りって…
「えー!俺がかよっ!
俺より、父さんの方がいいんじゃね?
父さん、茉由子のことなら
なんでも、許しちまうし…」
「うーん…」
何か言いたげな様子の母さんだったけど、
出掛ける時間になったので、
麦茶を流し込み、
「ごちそうさま、行ってきまーす」
バイトへと向かった

