年上彼女


放課後、

道場に向かい、

すでに素振りをしてた
2年の部員に声をかけ、

一本勝負をした

今日も、1本取った
よっしゃ!

面を外し、
道場に一礼し、
ロッカーに向かった


すると、

向かいから、
いつも俺と衝突する

部長の
青山勝哉(アオヤマ カツヤ)が、
俺の前に立ちはだかった

防具を付け、
面と竹刀を持ち、
いつだって、
背筋をピンと伸ばしたカッコは、
女生徒の視線を奪っている


「おい、
また、練習サボるのか?」

俺より、
少し目線が上の方から
投げられた言葉…


「あ? 俺のことか?」

眉間にシワを寄せ、
ガン見しながら言葉を返す


「あぁ、お前だ」

氷のように冷たい視線で
俺を見つめる

「ちゃんと、名前言ってくんねーから、
わかんなかったぜ、
部長さんよー

練習は、さっきした

今度の大会で
勝ちゃーいーんだろ?
勝ちゃー」


「お前なぁっ!」


青山が俺の道着の胸元を
掴もうとしたので、
体を避けた


「ワリぃな、
俺、今日バイトだから、
じゃー」


青山の拳が、ギュッと
力がこもったのがわかった

俺は、
横を通り過ぎ
ロッカーへと急いだ


青山は、
悪いヤツじゃない…


ただ、
俺のコトが気にいらないのだろう
何かと、食ってかかって来る


ま、
あんま、気にしない方がいい


制服に着替え、
ロッカーを出た