「未愛、離してくれ、な?」
「み…瑞兄…」
でも、結局はあたしが瑞兄に逆らえるハズも無く。
簡単に、瑞兄のブレザーの裾を掴んでいた手は、離れていった。
やっぱりあたし、バカだ。
「頑張れよ、未愛。応援してるからな」
「その笑顔、憎たらしい」
「言うようになったな、未愛も。あ、あと言い忘れてた事があったんだった」
扉に向けられていた瑞兄の身体が、もう一度あたしの方を向く。そして、とびきり優しい笑顔を浮かべながら、口を開いた。
「俺は未愛を守るという独占欲に駆られていたけど。もしかしてその気持ちは、恋だったのかもしれないな」
爽やかに言い捨てた瑞兄は、固まっているあたしの様子を気にする事無く、生徒会室を出て行った。
.

