どうしよう!と慌てているあたしを楽しそうに見つめながら、瑞兄は話を進めていく。
「未愛は単純で分かりやすいから、すぐに分かった。だけどな、未愛が俺に対して感じていたのは“憧れ”だよ」
「憧れ…?」
「物心付いた時から俺と一緒に居たんだ。恋と間違えても不思議では無いけどな。だけど俺と春流、お前の頭にはどっちが先に浮かぶ?」
そう言われて、あたしは目を閉じてみる。
まぶたいっぱいに広がる黒い世界の中に、ポツリと浮かんで来たのは―――小杉春流の姿で。
この瞬間、あたしは小杉春流の事が好きなんだ、と自覚させられてしまった。
「ほら?春流が浮かんだだろ?」
「…瑞兄、どうして分かったの?」
「何度も言ってるだろ。―――俺は、お前の“お兄ちゃん”だからだよ」
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